暗号資産(仮想通貨)取引所の元CEOであるアーサー・ヘイズ氏が2日、最新エッセイを公開した。同氏はこの中で、米国がイランへの関与を長期化させた場合、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げや資金供給拡大に動き、その結果ビットコイン(BTC)価格が上昇する可能性が高いとの見方を示した。
ヘイズ氏はエッセイ内で、1985年以降の中東戦争とFRBの金融政策の関係を詳細に分析している。1990年の湾岸戦争では同年11月および12月に利下げが実施され、2001年の同時多発テロ後には0.5%の緊急利下げ、2008年末のゼロ金利までの引き下げなどを具体的な事例として列挙した。
同氏はこうした事例から、「米国が中東で高コストの軍事関与を続けるほど、FRBは資金の価格を引き下げ、供給量を増やす傾向がある」と指摘。その結果、ドルの流動性が高まり、供給量の限られたビットコインの資産価値が上がるとの見解を示している。
ヘイズ氏はこの状況を、AI技術を国家の基盤に潜り込ませて内部から政権交代を狙う、いわゆる「AIによるサイバー戦争」になぞらえて「iOS Warfare」と表現。近未来的な表現を用いながらも、「戦費調達と経済維持のための金融緩和が不可避である」という本質を示した。
仮にトランプ政権がイランの政権交代を狙い、イランを米国の影響下にある国として再建する「国家建設(ネイション・ビルディング)」に深く関与すれば、過去の戦争を上回る数兆ドル規模の財政負担が生じることになる。ヘイズ氏は市場不安や債務コストを抑える手段として、FRBが大規模な緩和策を選択する可能性が高いと予測している。
さらにヘイズ氏は、投資戦略として「今は静観すべき時」としつつも、明確な好機を提示している。同氏は「FRBが利下げやマネープリントに動いたタイミングで、ビットコイン
BTCやHYPE
HYPE(ハイパーリキッド)などの高品質なアルトコインを積極的に購入すべき」と述べ、地政学リスクを資産運用に活かす具体的な指針を示した。
地政学的緊張が高まる中、金融政策の方向性が暗号資産市場に与える影響への関心は一段と強まっている。今後のFRBの政策運営は、暗号資産市場の行方を占う最重要の焦点となるだろう。
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