この記事の要点
米国上院は2026年3月13日、2030年まで中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行を禁止する法案を賛成多数で可決しました。採決では反対票は6票にとどまり、法案は大差で承認されています。
この法案が成立すれば、FRB(連邦準備制度理事会)が主導してきたデジタルドルの発行計画は少なくとも2030年まで法的に制限される見通しです。
反対票を投じたのはクリス・マーフィー氏(コネチカット州:民主党)ら6名の上院議員で、反対議員が少数にとどまったことから、デジタルドルの導入に対する議会内の慎重な姿勢が改めて示された形となりました。
今回上院での可決を受け、この法案は次の立法手続きへと進む段階に入ります。米国のデジタル通貨政策の方向性に影響を与える可能性がある動きとして、今後の議会審議の行方が注目されています。
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米国では近年、FRB(連邦準備制度理事会)を中心に中央銀行デジタル通貨(CBDC)の研究や検討が進められてきました。
一方で議会内外では、CBDCが政府による金融監視の強化やプライバシー侵害につながる可能性があるとして、慎重な意見も広がっています。
こうした懸念を背景に、採決では賛成票が大多数を占め、反対票は6票にとどまりました。反対票を投じた議員が複数の党派にまたがっていたことは、CBDCをめぐる議論が党派を超えて続いていることを示しています。
法案が成立した場合、2030年までFRBによるCBDC発行が明確に禁止され、少なくとも今後数年間は米国で中央銀行デジタル通貨が導入される可能性は大きく後退することになります。
投票の詳細は米国上院の公式投票記録として公開されています。
CBDCは政府が発行するデジタル通貨であり、導入された場合には仮想通貨(暗号資産)と一定の競合関係になるとの見方がこれまで示されてきました。
こうした競合関係が当面生じない状況となることで、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの分散型デジタル資産への関心が高まるとみられています。
今回の法案によって米国でのCBDC導入が当面制限されることで、仮想通貨市場全体にも影響が及ぶ可能性があります。
ただし今回の採決でも反対票が存在したことから、米国議会内ではCBDC推進派の議員も一定数残っています。2030年以降の政策や将来的な立法をめぐる議論は今後も続く見通しです。
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米国がCBDCに法的制限を設ける方向に進む一方、世界各国では中央銀行デジタル通貨の研究や実証実験が進められています。
欧州中央銀行(ECB)は現在、デジタルユーロの導入に向けた調査フェーズを継続しており、中国ではデジタル人民元の実証実験が複数の都市で展開しています。
これに対し米国内では、ステーブルコイン規制やビットコインを国家戦略資産として扱う構想など、CBDCとは異なる方向での仮想通貨政策が進んでいます。
今回の法案可決は、米国が中央銀行主導のデジタル通貨ではなく、民間主導の暗号資産やステーブルコインを重視する方向へ政策軸を移す可能性を示す動きとして、国際的にも注目されています。
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Source:米国上院投票記録
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