イーサリアム創設者のヴィタリック・ブテリン氏は13日、自身のX(旧ツイッター)で、AIリスク研究団体「Future of Life Institute(FLI)」が同氏から受け取った柴犬コイン(SHIB)を約5億ドル(約800億円)相当で換金していた経緯を公表した。ヴィタリック氏は想定の20倍超に達した換金規模を「想定外だった」と述べるとともに、FLIとの立場の違いも明らかにしている。
2021年、ヴィタリック氏はSHIB
SHIBを含む複数のミームコインを大量に受け取った。ピーク時の帳簿価格は10億ドル(約1,593億円)を超えていた。氏はその一部をETH
ETHに換え、約5,000万ドル(約80億円)をGiveWellに寄付。残りのSHIBはCryptoRelief(インドの医療インフラ支援)とFLIの2組織に折半した。
両組織はそれぞれ受け取ったSHIBを売却し、FLIの現金化額は約5億ドル(約800億円)に達した。ヴィタリック氏は当初「1,000万〜2,500万ドル(約16〜40億円)程度の換金」を想定していたと説明しており、実際の規模は想定の最大50倍に膨らんだ計算になる。
FLIはその後、AIリスクへの取り組みを「文化的・政治的な働きかけ」へとシフトさせた。ヴィタリック氏はこのアプローチについて、「大規模な協調した政治行動はAI安全保障の取り組みを権威主義的な解決策へと向かわせる可能性がある」と警戒感を示した。
AIの開発を少数の組織が独占・管理する形は「脆弱であり、危険だ」とも指摘している。
ヴィタリック氏は自らの立場を「d/acc(防衛的加速主義)」と定義し、FLIとの違いを鮮明にした。オープンソース技術の整備、パンデミック対策ツールの開発、セキュアハードウェアへの投資を優先すると説明している。
最近では「イーサリアムと人類全体のためのセキュアハードウェア」として約4,000万ドル(約64億円)を配分したとした。仮にFLI向けの資金を自ら管理できていたなら、同様の目的に充てていたと述べている。
アンソロピックの動きにも言及。大規模監視、自律型兵器へのAI利用拒否、安全保障誓約の撤回など一連の動向を引き合いに出し、「AI安全保障と権力集中の思想が融合するリスク」を示す事例と位置付けた。
一方でFLIが推進する「人間重視のAI宣言(humanstatement.org)」やAI権力集中を避けるための研究については「支持する」と述べており、組織そのものとの決別ではないことも強調した。
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