米国の不動産投資家Grant Cardone(グラント・カードン)氏が、自身の運営するカードン・キャピタル(Cardone Capital)の不動産ポートフォリオをトークン化する計画を明らかにした。対象となる資産規模は約50億ドル(約7750億円、1ドル=155円換算)にのぼり、ブロックチェーンを活用した所有権のデジタル化に本格的に乗り出す。
カードン氏はXへの投稿で、同社が保有する不動産をトークン化することで、投資家に「担保」と「二次市場での流動性」を提供すると説明した。さらに「大規模な資産トークン化における市場リーダーになる」との意欲を示している。
全米のマルチファミリー物件を運用
カードン・キャピタルは、米国内でマルチファミリー住宅や商業用不動産を運用する企業だ。これまで10年以上にわたり、小口投資家向けにキャッシュフローを分配してきたとし、累計で5億ドル超を投資家へ還元してきた実績を強調している。
カードン氏は、これまで富裕層や機関投資家に限定されがちだった「ベスト・イン・クラス」の物件へ、一般投資家がアクセスできる仕組みを構築してきたと主張。今回のトークン化は、その延長線上にある戦略と位置付けられる。
カードン・キャピタルlは不動産キャッシュフローを活用してビットコイン(BTC)を購入する長期戦略も打ち出している。6月には1000BTCを取得し、今後もバランスシートへの追加を予定しているとされる。不動産と暗号資産(仮想通貨)を組み合わせた資本戦略を進める中で、トークン化は新たな柱となる可能性がある。
トークン化市場の拡大期待
不動産、債券、ファンド、プライベートクレジットなどの伝統資産をブロックチェーン上でトークン化する動きは、資産運用業界全体で拡大している。不動産分野では、所有権管理や取引、決済プロセスの効率化が期待される一方、規制の不確実性や二次市場の流動性不足が課題と指摘されている。
他の不動産大手も同様の取り組みを検討している。Trump Organization(トランプ・オーガニゼーション)はモルディブの新リゾート案件に関連するローン収益のトークン化を進めており、スターウッド・キャピタル(Starwood Capital)のBarry Sternlicht(バリー・スターンリヒト)氏も資産トークン化への準備が整っていると発言している。ただし、米国の規制環境が障壁になっているとの見方もある。
Deloitte(デロイト)は、不動産トークン化市場が2035年までに4兆ドル規模へ成長し、年率27%で拡大する可能性があると予測している。
|文・編集:Shoko Galaviz
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